
めぐねぇの述懐が進むたびに怖さの影が増していく。
黒い染みに汚れた職員室で手紙を書き終えた彼女は、あれからどうしたのでしょうか…。
ゾンビが発生した日の様子を、めぐねぇの記憶を辿るように描いて行きましたが、彼女がゾンビによる惨劇の事実に近づくたびにひとつの回想パートが終わり、また次の回想へと進む話運びがたんたんと重ねられることによって、かえっていつ怖いシーンが出て来るのかという期待と、なんとも言えぬ恐怖感が増して行ったのを感じました。
そして感想の冒頭であえて述懐という言葉を使ったのは、彼女が教職に勤しむ様子を見ていた教頭先生が友達感覚はダメと言って来たことに対して、彼女自身はそうでないと思いたかった。
できればあの手紙を書いている時点でゾンビになっているだろう彼ではなく、生きた教頭先生である彼に自分の教職に対する考えを聞いて欲しかったのではないかと思ったからです。
この辺りジワっと恐怖感を煽りながら、めぐねぇの教職への想いや生徒たちへの想いも感じさせる作りはよくできていたと思うし、繰り返しとなったくるみと先輩のシーンで怖いもの見たさへの欲求を満足させることで話に一区切りをつけ、学校キャンプの楽しいシーンへと展開させるところは、構成の上手さを感じました。
キャンプのテントの中で寄り添って寝る女の子たちと小太郎が可愛く、ピトっとくっつくゆきに赤くなるみーくんには、なんだかモジモジしてしまいました。
そして四人が夜更かししているのを注意しに来たのはめぐねぇだと思いますが、ゆきの幻想はライトの光まで再現してしまうのかとちょっと驚きました。
ただ、ガラスでぼやけたライトに映し出されるめぐねぇの影が、ゆきにだけ見えていたものなのか、それとも何かが徘徊していたものなのか。
手紙を書き終えためぐねぇのその後も思わせる、鈍い光に浮かぶ人影だったと思います。
最後までめぐねぇのその後をはっきりさせないまま締めくくったことが、この作品らしい余韻を感じさせたんではないでしょうか。
次回のがっこうぐらしを楽しみにしたいと思います。

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