Charlotte(シャーロット) 第7話「逃避行の果てに」感想

レシピに伝わる愛情と、強く優しい奈緒のおとぼけが涙腺にきますね。

崩落現場の赤いものがピザソースではないかという妹ちゃん生存の可能性を書いた前回の感想も虚しく、彼女の葬儀と哀しみにおかしくなっていく兄・有宇の様子から始まりましたが、崩壊はやっぱり妹・歩未の能力だったんでしょうか。
そして初期の不安定な能力発動が突然の悲劇をもたらしたということですが、オープニングテーマにある壊れていく世界は、まだ始まったばかりのようにも感じます。

前半のぶっ壊れていく有宇はさておき、彼には見えないようにずっと見守り、人間やめますか！？と怒ったように問いかける奈緒がヒロインしてましたね。
そして彼女の中に、妹を失い堕ちていく有宇への怒りだけでなく、大切なものを失ったことにただ流されたり、抗わないでいることは絶対に無いという強い気持ちも感じました。

やがて奈緒は、一口だけと有宇にまともな食事を取らせることを切り出しますが、ひでんのソースがかかったオムライスを食べて我にかえっていく彼に、全部食べてしまいましたからね〜と、トボけながらも優しさを発揮するところがいかにも奈緒らしくて、ニヤリとしながらも、ついほろっとしてしまいました。

母親が遺してくれたレシピでずっと兄にご飯を作ってくれていた歩未のことを知る有宇のあたりから、涙腺がじわっと来はじめていましたが、奈緒の優しさが彼女の中にある痛みと強さから来ているのを思うと、流れ出したエンディングに涙がこぼれ落ちるのを止められませんでした。

そして、前半の有宇を描くパートが増長かなと最初は感じていましたが、それがあってよけいに奈緒登場以降からのパートが心に響いてきた感じです。
ともすれば途中で飽きてしまうかもしれない一歩手前のギリギリを進んで、ヒロインの登場を焦らし、最後にそれらを活かして泣かせる構成は、さすがに上手いと思いました。

さておき、奈緒に俺は何をしたらいいと聞いた有宇は生徒会に戻る事になりましたが、前回崩落事故に駆けつけた女の子の正体や、有宇の真の能力、そしてここから物語がどんなふうに転がり出すのか気になるところですね。
まさか今更タイムリープものをやるとは思わないので、奈緒と同じ痛みと信念を持った有宇が、一番頼りになる人をはじめとする真実の深みに向かって歩き出すのを期待したいと思います。



ピザソースが歩未の能力に関係があり、兄の反応でその力の発動の方向性が決まるんじゃないかとか、崩壊はカッターを持って彼女に迫った少女の能力ではないか等々、考えた事がことごとく外れてました。
読者の皆様、そして興味を持って読んでいただいた皆様、ほんとうにすみませんでした。
恥もかきましたが、これに懲りずにいろんな作品の気にところをこれからも考えたりしながら作品を楽しんでいこうと思います。
つい期待のこもった事も書いてしまいますが、これからもよろしくお願いします。