GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 炎龍編 第13話「開宴」感想

炎龍の前に先ずはゾルザルをとっちめないといけない。
怪獣より知恵のある分、人間の方が怖いのかもしれないです。

ピニャ皇女の腹違いの兄で帝国の第一王子のゾルザルを悪目立ちさせたいんでしょうけど、特地との和平交渉に武力を見せつけるのも辞さない日本政府のやり方を見ていると、なんだかなぁとちょっと引いてしまったAパートでした。

実際自衛隊がいくら強いと云う話を特地の住人が聞いても、科学力に差がありすぎて具体的に想像が付きにくい面もあるし、実物の破壊力を見せつけて戦うより話し合った方が良いですよとやりたいんでしょうね。
そしてその辺りの現実にもある国同士の交渉のひとつのやり方というか、1クール目の国会中継をはじめ、そういったところまで踏み込んで描くのがGATEの面白いところでもありましたね。

さておき、日本が請求しようとする戦争の賠償金の額にパニクるピニャ皇女はいつもの感じでしたが、その兄ゾルザルも内務省のマルクス伯爵に乗せられて日本政府と帝国講和派の秘密の会合場所に行ったはいいものの、何が行われていたのかも気づかないまま、料理を食べ散らかした挙句に颯爽と去って行くのは、彼にもどこか抜けている部分があるということでしょうか。

だとすると彼をそんな風にしてしまった帝国の在り方や、皇帝と彼に追従する者の罪の方が深い感じがしますね。
後半描かれた帝都悪所街の様子がそのひとつの表れだと思いますが、そこの診療所の面倒を見る事になった黒川二等陸曹が、訪れた有翼人の暮らしぶりを知り、またしても彼女が助けたいという衝動とその先の展望が見えない狭間で心を痛めるのは、特地の救われない部分に、この2クール目で何かしらの光明がささないかと切なくなってしまいますね。

そしてそんなところも、炎龍退治だけでなく第12話の「伊丹なら」に掛かっていたのだと思いますが、展開は予想だにしなかった帝都での地震発生へと進んで行きました。
有翼人をはじめとする亜人たちの動物的直感がそれを察知し、黒川から知らせを受けた上官が素早く対応指揮を取りましたが、どうもかなり大きな地震のようですね。

災害救助と自衛隊は切っても切れない関係にありますが、次回は現場を走り回る自衛官たちの勇姿を見せてくれるんでしょうか。
その辺りに期待しながら、黒川のジレンマに光りが指すきっかけが訪れるかもしれない次回を、今は楽しみに待ちたいと思います。