2016
01/21
木

演劇部部長の演技は、すでにハルタの台本を破いたところから始まっていたのか。
ハルタとチカだけじゃない。みんな青春しているんだ。
成島が吹奏楽部に入部したことをきっかけに部員が10数名集まったものの、自分の未熟な演奏が部の足を引っ張っていると草壁先生に個人レッスンを申し出るチカ。
しかしすかさずハルタが、チカは基本から厳しく練習した方がいいと、草壁先生ではなく専門の指導者に教えてもらった方がいいと声をあげました。
ハルタはチカが草壁先生と近づくのを絶対に阻止したいみたいですね。
そして初回以降ハルタが草壁先生に思いを寄せるというか、二人の絡むシーンが全く無いので、本当にハルタは先生が好きなの?と思ってしまいますが、ひょっとして彼の本音ははチカが先生に近づくのを邪魔したいところにあるのではないでしょうか。
その辺りもう少し見てみないと断定は出来ませんが、彼の心のベクトルが先生よりチカの方に向いているのを感じますね。
さておき、成島さんの話から、演劇部に在籍するマレン・セイがサックスを吹く事を聞きつけたチカとハルタは、彼を勧誘しようと動き出しますが、何らかの事情が有って彼が演奏から遠退いている事を知りましたね。
しかし演奏家の両親を持つ彼が何故サックスを吹く事を止めてしまったのか分からず、得心のゆかぬままのハルタはそれでも彼に再びサックスを手にしてもらいたいと思ったんでしょうか。
彼が演奏に気持ちを向けてくれるように演劇の台本を書き上げ、いざ、演劇部の部屋へと訪れました。
それを読む演劇部の部長。彼は勢いよく台本を破り、ハルタと寸劇で勝負しようと煽って来ますが、思えばこの瞬間から、彼の演技は始まっていたんだと思います。
やがて始まった退出ゲームでハルタたちに出された勝利条件はマレンを劇の舞台から退出させる事。
そして時効を間近に控えた犯罪者の集団と云う劇の設定の中でハルタが部長の腕時計の話を発展させ。
全員が逃げて来た今居る場所と云う事でマレンの生まれ故郷である蘇州を舞台に引っ張り上げ、ワンと云う七人目の人物の参加を仕込む事でマレンを犯罪者の仲間から除外して行くハルタの誘導はなかなか面白いものでしたね。
そしてそれを待っていたかのように、マレンの生みの親から彼と一緒に託されたはずの鞄を何時の間にか舞台に持って来ていた部長が、スッと彼の鞄をマレンに渡すところは、彼がずっとマレンに対して持っていた気持ちが顔を出したように感じました。
マレンが蘇州に旅立った後、成島さんの彼の事情についての質問に、自分でいつか聞いてみるといいとニコリとした草壁先生は、ずっと前から彼が演奏をしなくなった理由を知っていた節がありましたが、演劇部にマレンを誘った部長もずいぶん前から彼の事が心配だったんでしょうね。
そしてひとりの友人として今回ハルタの行動に乗ったんだと思いますが、彼とハルタが寸劇の前に打ち合わせをしていた様子もなく、ただハルタの書いた台本が二人の間に有るだけでしたね。
しかし、部長はそこにハルタの目的と思いを読んだんではないでしょうか。
全てが終わってみれば、彼が台本を破いた時点で、友のために賭けに出たのを感じますね。
ハルタとチカ以外の登場人物たちも、それぞれに青春する良いエピソードだったと思います。
次回も楽しみですね。

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