僕だけがいない街 第9話「終幕」感想

悟の母ちゃんの肝っ玉にぶったまげた！
子供のためならここまで強くなれる母ちゃんもいるんだなあ。

ついに加代を救った悟の横には母ちゃんがいましたね。
息子に妖怪と思われながらも、最後の最後に加代を救う手助けをしてくれた彼女の強さに胸がジーンとしました。

そしてスコップを持って暴れた加代の母親も、またひとりの母親で、彼女の娘に対する虐待はかつて付き合っていた男性から受けていたDVの反動からしてしまったことで、彼女自身が母親に諭される事で幾ばくかの平静さを取り戻したようで、加代が数年間彼女から離れて暮らす事にも同意したようですね。

しかし、それが同時に悟の近くから加代がいなくなってしまう事にも繋がりましたが、加代は家から離れることができて悟に本当に感謝していましたね。
去って行く彼女が悟に向けた嬉しさと別れの寂しさの同居するなんとも言えないその表情が、今までの二人の思いを次々と思い出させてくれるようでした。

さて、加代を救った悟は、事件の被害者となった広美と隣の学校の中西さんを救おうとすぐさま行動を開始しますが、ここまで来て背筋にゾワゾワしたものが走ったのを感じました。
悟が加代を守ろうとした理由を聞いて、彼を信じるという小林君と広美君に、悟がこの後二人を守り切るという確率が跳ね上がるのを感じましたが、同時に廃バスを幾度も訪れている誘拐殺人が未だに野放しになっている事と、彼のターゲットが悟の動きで変わるのではないかという思いが湧いて来ました。

思えば、非常に用心深く、広美をよく知らないために犯人は女の子と間違えて殺害したという捜査ミスを警察にさせた知能犯でもある真犯人が、悟が広美や中西さんに目を光らせているのを知らないわけはないんじゃないでしょうか。
だとすると目的を果たせない真犯人はかなりのフラストレーションを抱えていると思うんですが、その矛先が果たして広美と中西さんに向かうのか、それとも未来の事件の記録にはない対象へと向かうのか、明るい表情をする悟を見ている横で、ビリビリと恐怖が迫ってくる怖さを感じる回でもありました。

ともあれ、正体の見えない真犯人が今後どういった行動に出てくるのか気になるところではありますが、今は加代が未来で幸せになっていることを期待しつつ、次回を待ちたいと思います。