2016
04/20
水

一時的に記憶を失うのはスパイにとって想定内の事だった。
フランス降伏と三国同盟が結ばれた1940年のある日、波多野(島野)はパリで任務に着いていた。
ドイツと日本が同盟を結んだのとフランス降伏は同じ年なので、ドイツ装甲部隊がフランスの対ドイツ防衛線の唯一の要だったマジノ要塞をベルギーから迂回し、パリに侵入を果たした時点からそう経ってない頃の出来事になると思います。
そして、チェコを見捨てた報いと歴史的に言われる時もありますが、ドイツの最終的な敵はイギリスであって、もし後にイギリスに勝利すればフランスの北部をはじめ、永続的に支配するわけではないというドイツの甘言と、当時少子化が進み、政府の求心力を著しく失っていたフランスの事情もあって降伏せざるを得なかったという事らしいです。
そんな時代の背景はさておき、不測の事態によって記憶を一時的に失った波多野が、かつてD機関で養成中に受けた結城からの教えによって、ギリギリで身バレや情報を漏らしてしまうのを踏みとどまるのは恐ろしくも驚かされました。
そして映像的にも波多野がスパイにそぐわない行動をしようとすると彼の脳裏にボオッともう一人の自分が現れて抑止したり、自分が何をなすべきか言葉少なに伝えてくるような演出は面白かったと思います。
それが自己暗示によるものだったのか、スパイとして鍛え上げられた波多野が元々持っていた佐久間中尉にD機関のメンバーは怪物と言わしめた部分なのか気になるところですが、もう一人の自分の言う事に耳を傾ける波多野は恐るべきスパイだったと言うしかないですね。
故障した銃からドイツと内通している人物がいるのを見抜いたり、粉塵爆発を成功させたり、お話にいろんな肉が付いてとても面白く一本のストーリーに仕上げていたのを感じるエピソードでしたが、これからおそらくあと7人分のお話が待っていると思うと楽しみでたまりません。
ともあれ、結城中佐が現地に現れて彼の任務は終わりを迎えますが、ドイツが今後戦端を伸ばして行った先に制空権などを維持する事ができるのかという分析もしていて、そのドイツと日本が同盟を結ぶ事にクエッションを投げた彼の誤算もストーリーに余韻を感じさせて、なかなか面白い締めくくりだったと思います。
ジョーカー・ゲーム、次回も期待ですね。

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