2016
08/27
土

度し難いほど無能な北域鎮台の指揮官たち。
山岳戦の厳しさすら知らなかったのか…。
後方待機と言われていたイクタたちも、物資輸送という言い訳で前線へと駆り出されることに。
そして途中にある帝国の陣地がシナーク族に占拠されていたものの、アナライから届いた設計図を元にライフル銃を完成させていたイクタが、遠距離射撃を可能とする部隊を投入するという全く新しい戦術を用いる事で、難なく陣地の再奪取を成功させていました。
亡命先の国だけでなく、イクタにもライフル銃の設計図を送って来るアナライは、戦いを引き起こす国同士のパワーバランスを崩さないように両方に新発明の情報なりを渡しているという事でしたが、戦争が科学の進歩を加速し、兵器開発の途中で得られた新知識の多くがが日常の生活にも恩恵を与えるというのは人類のひとつの課題でもあって、その縮図とも言えるアナライの行動にそんな事も頭が過るところがありました。
さておき、陣地を再奪取したイクタたちにカンナのいる前線の部隊を救援に行って欲しいと知らせが届きます。
知らせてきたのはおそらく戦場に配置された斥候かなにかだと思いますが、最前線のカンナのいる部隊は放置された砦に招き入れられて包囲されるという罠にかかり、かなりの窮地に陥っていましたね。
そして見ているだけでもこの砦が罠である事に気づいてしまう感じでしたが、指揮官はなんの考えも持たずに部隊を砦に入れ、あまつさえ山岳地帯という高所での戦闘行為の厳しさにも頭が回らないのは、なんともお粗末な指揮官しかいないのかと思ってしまいました。
何年のこの地に駐留していたのに戦場に関する研究もしていない北域鎮台の指揮官。
しかし一方でその知識を身につけていたイクタという存在が本来は指揮官として当たり前の事であるはずなのに、それができていない者の元で戦わなくてはならない兵士たちが悲劇過ぎますね。
惜しむらくはどうせ戦場に投入されるならもっと早くイクタたちに出撃させていればよかったのに、自分の預かる兵士たちを高所に慣らすために途中で二日間野営するしかなかったその時間が、カンナとの別れを決定的にしてしまいましたね。
イクタは野営に二日間取る判断をしたところでもう間に合わなくなるのを分かっていたと思いますが、その時の悲しそうな彼の表情と、現実に戦死したカンナを見つけた時の彼の姿に涙がこぼれてしまいました。
お互いに三度目に会うのを楽しみにしていた二人を引き裂いたものはなんでしょうか。
戦争か、それとも帝国の無能な指揮官たちか。
しかしそれでもその二つに身を委ねるしかない帝国の人々の不自由さというものを、いつかイクタたち若き士官らが変えてくれるのを期待したいと思います。
あまりにも悲しいエピソードに言葉もありませんでしたが、まだ悲劇の幕は上がったばかりなのかもしれません。
ともあれ、次回の展開を待ちたいと思います。


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