二次元美少女の笑顔を守りたい duple

笑顔は最高の魔法 ~Japanese Animation Review~

2016 12/23

舟を編む 第11話(終)「灯」感想 灯を受け取り、誰かに渡して行く。そんな生き方ができたらいいな。

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大渡海がついに出版。松本先生の言葉が心に沁みる良い最終話でした。

先生は大渡海の完成を見ずにあの世へと旅立たれてしまいましたが、見舞いに訪れた荒木と馬締が持ってきてくれた刷り上がったページを愛しむように指でなぞるシーンがとても印象的でした。

みんなが作り上げたものを手にした先生は、ほんとうに嬉しそうでしみじみとしてしまいましたが、彼の辞書編集にかける気持ちや真摯な思いが、荒木や馬締、そして西岡たち玄武書房の仲間たちに伝わって形になっていったんだと思います。

そして灯を手渡した彼は若い人たちよりも先に逝ってしまいましたが、後に馬締に手渡された手紙にあったように、充実した人生に満足していたんでしょうね。
初版が発売されてもそれに続く改訂版などの編集が待つ馬締は、自分たちの仕事に終わりはないと語っていましたが、彼もまたいずれ後輩や自分の子供に想いを手渡して行くんでしょうか。

そんな人生の当たり前の事を辞書編集という仕事を通して見せてくれた作品でしたが、妻となった香具矢さんがいつも側で見守ってくれている馬締は幸せな人ですね。
いつか二人の間に子供が生まれてくるのを楽しみに思いますが、そういう未来をふと思ってしまうような素晴らしい最後の引きだったと思います。

ともあれ、西岡が松本先生に似てきたと言われて喜んでいましたが、彼が宣伝部で出世したことが、かえって大渡海完成の力になった感じですね。

彼が会社から宣伝部に移動を言われた時はほんとうに嫌なことをしてくるなと思いましたが、その場その場では不運としか言いようのないことも、彼のように真っ直ぐにどうにかしようと踏ん張れば、やがて良い巡り合わせへと変えて行くこともできるんですね。

彼の才覚と努力もあったと思いますが、気持ちのいい人だったのが幸いしたんじゃないでしょうか。
そして、このドラマに登場する人物たちも皆が西岡と同じく心根の良い人ばかりだったのは、見ていてほんとうに気持ちよかったです。

静かな雰囲気でとても落ち着いて楽しむことができました。
舟を編むというタイトルに込められた登場人物たちの想いを感じながら、ノイタミナの次なる作品を楽しみに待ちたいと思います。


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