2017
03/15
水

ジーンに煙草をあげてきた人々の様々な想いを感じる、静かなクライマックス前でした。
住人たちが貴重な地下資源を掘り当てる夢に夢中なプラネッタ区のデザインをとても面白く感じました。
どこか火星のような、アメリカ大陸のネバダ州のような広陵とした世界の地下に、居住空間を開いて楽しそうに暮らす住人が粛々としつつも朗らかで、クライマックス前のジーンの心情を感じるのに、とても良い地区だなと思いました。
そして夕涼みに出てきた区民たちの中、支部長がジーンに貰った煙草をひとしきりクーデターと区の事を話した後に君にと再びジーンに手渡したのは、今まで各区でジーンに煙草を渡してきた人物たちが、それぞれ何を彼に思って渡したのかを感じさせる良いシーンだったと思います。
或る者は商売を紹介してくれたお礼として、また或る者はプラネッタの支部長のようにACCAの側に立つだろうジーンにクーデターを成してもらいたいと思って手渡してきたのだと思いますが、ジーンが王家の血を引くものという情報があからさまに流布された状況で煙草を渡されるジーンとしたら、なんだかクーデターを起こさないといけない気持ちにジリジリと追いやられている気配も感じますね。
おそらくそれがクーデター計画を実行しようとする者たちの狙いなんでしょうけど、ジーン自身がクーデターには乗らないという判断をしないように誘導されているとも見て取れると思いました。
さて、果たしてジーン自身の考えはどういう方向に向いているんでしょうね。
ロッタが王族の一員から狙われ、今後は自分も狙われる展開になるのが確定してしまいましたが、その辺りは今回登場しなかったニーノが尽力してくれるんでしょうか。
このまま妹と命を狙われるならいっそクーデター計画に乗ってしまおうという選択が芽吹いてきそうな流れがありますが、そこで気になるのが実にタイミング良く起きた国王が倒れたという知らせですね。
計画遂行の首魁たるリーリウムは時がきたとばかりに動き出しそうですが、王家には切れ者のクヴァルム枢機委員長と時折只者ではないオーラを発する国王様が控えていますから、逆にクーデター計画への絡め手が実行されたと見るべきなんじゃないでしょうか。
そしてキーマンのジーンがリーリウムの故郷であるフラワウ区を訪れ、クーデター計画の裏にあるだろうリーリウム一族の野望を感じ取る事になりそうですね。
今まで描かれてきた各区のエピソードの中には、ジーンの思考能力がズバ抜けて良いと感じるものがあったからそう思えるんですが、国王、クヴァルム、そしてジーンの三人がクーデター計画を逆手にとってより良い未来へと辿り着こうと活躍してくれるのを期待したいですね。
そしてもしそうなったら、ジーンとロッタの母親も浮かばれるんじゃないでしょうか。
ともかくも、次回を楽しみにしたいと思います。







TB送信先 ぬる〜くまったりとさん
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ぬる~くまったりと 2017/03/15
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